長い付き合い。

 

 

右手の人差指が指定席の指輪がなくなった。

 

朝はきちんとあったはず。

 

午後3時にふと気付く。

 

きっと朝のゴミ出しの時に、ぎゅうぎゅうつめたから。

 

その時に、一緒にはいってしまったかな。

 

などなど考えて、長く長く一緒に過ごしたので、

 

何か身代わりにいなくなってくれたのかな。

 

二粒ほど涙がポロリとでたところで母が、

 

「おやすみ。」と言いに戻ってきたものだから、

 

涙も引っ込み、悲しみもすっきりとした諦めに変わる。

 

そんな一日のおわりに。

 

なんとなんと、ズボンからコトリと何かが転がった。

 

それはそれは、もう二度と会えないのだと何度も思い出した、

 

その指輪!!

 

物欲も執着も少しずつうすまりつつある昨今。

 

永くながく付き合えるって、本当に素敵なことだと思う。